ごあいさつ

社会福祉法人かながわ共同会 理事長
山下 康

 私たちかながわ共同会は、県立知的障害者援護施設であった「秦野精華園」再整備に際し県立民営方式の運営を進めるため、神奈川県と関係団体との協議に基づき、平成元年に既存法人を改組して設立された法人で、翌年「秦野精華園」平成6年「厚木精華園」平成12年「愛名やまゆり園」の運営を受託しました。そして平成17年には「津久井やまゆり園」を県指定管理第1号として受託し、現在はこの3つの施設を中心に31か所のグループホームと地域ニーズに沿った様々な障がい者支援サービスを展開しています。
 

 このような経過の中、平成28年7月26日、「津久井やまゆり園」に於いて19名もの皆様の尊い命が奪われ、職員含め27名の方々が傷つけられるという、あってはならない悲惨な事件が発生しました。法人の代表として改めてご遺族の皆々様方に心からお悔やみ申し上げますとともに、命を守れなかったことにつきまして深い後悔と自責の念と共に、このことを法人運営の教訓としてまいります。併せて毎月26日には法人内各施設で「法人祈りの日」として亡くなられた方々の冥福を祈り黙とうをささげています。
 

 そして現在、神奈川県の目指す当事者目線の障がい福祉を推進していくために、自分の思いをうまく表すことが難しい障がいのある方の支援として、意思決定支援の取り組みを法人内で進めています。本人の意思をしっかり受け止め、その人らしい生活が実現できるよう一人ひとりの思いに寄り添った支援を積極的に行っています。また、もう一つのキーワードとして地域生活移行があります。意思決定支援の取り組みの中で、本人から施設ではない場所での生活をしたいという希望が示された場合、積極的な支援を行っていきます。
 

 かながわ共同会は、令和4年、第6期中期計画を策定し(令和4年度から4年間)、6つの重点プロジェクトと50の重点施策を計画の中に位置付けました。そして目指すべき姿(ビジョン)の実現に向け計画的に取り組みを進め、神奈川県が目指す「ともに生きる社会」の実現に大きく貢献している法人を目指しています。加えて、障がい者の権利に関する条約の理念でもある、障がい者の人権や個人の尊厳を尊重し、促進することなどをしっかりと意識し、障がい者の権利の実現を基本に法人を運営してまいります。
 

令和5年4月